異業種経験を活かした経営改革と持続的成長への道
経営課題解決と体制構築が急務に
香川県東かがわ市に拠点を置く株式会社大東精工は、マシニングセンター用プルスタッドボルトやツーリングの設計・製作を主力とし、地域に根ざしたものづくりを展開してきました。しかし、次期社長の妻が総務事務を担っていたものの、子育てのために会社を離れたことで後任が不在となり、業務が滞るリスクが発生。同時に、新製品の販売や新工場建設といった大きなプロジェクトも進行中であり、これらを支えるための総務・経営サポートが急務となりました。
さらに、事業拡大や数年内に控える社長交代を見据えた体制づくりも課題として浮上。これらの課題に対処するため、同社はプロフェッショナル人材戦略拠点に相談を持ちかけ、適任者の紹介を受けることとなりました。
異業種からの視点が新たな価値を創出
人材紹介会社を介して紹介されたのは、大手企業やグローバル企業での勤務経験に加え、起業やシンクタンクでのコンサルティング経験を持つ後藤氏でした。後藤氏の経歴には、経営者目線を理解しつつ、データ分析やPC・Webに関する深い知識が含まれており、同社が求める要件をすべて満たしていました。また、異業種での経験が、同社の経営課題に新たな解決策をもたらすと期待されました。
後藤氏の真摯な人柄やプロジェクトへの取り組み姿勢も大きな決め手となり、入社が決定。入社後すぐに経営陣との信頼関係を築き、新たな体制づくりに尽力しました。
データ可視化と販売戦略の立案で成果を創出
後藤氏は入社後、新製品販売に向けたカタログや動画の制作を迅速に進めると同時に、過去の販売データを可視化し、それを基にした販売戦略を立案しました。このプロセスで、商標の登録申請や製造工程管理手法の開発にも取り組み、経営課題の解決に貢献。また、地元大学教授との共同プロジェクトを進行させるなど、同社の研究開発体制の強化にも寄与しました。
さらに、後藤氏は製造現場にも積極的に足を運び、従業員との信頼関係を構築。若手従業員の悩みに耳を傾ける姿勢は、経営層と従業員の間で潤滑油としての役割を果たし、組織力の強化に貢献しました。
異業種目線がもたらす新たな発見と価値
後藤氏の提案は、同社に新たな視点を提供しました。異業種からの目線を取り入れることで、これまで気づかなかった課題を発見し、それに対応する具体策を提示。例えば、製造工程の効率化や若手社員のスキル向上、さらには働きやすい職場環境の整備といった領域で、後藤氏の知見が生かされています。
また、後藤氏の親しみやすい性格や趣味が、創業家をはじめとする社員との距離を縮め、スムーズな社内定着を可能にしました。後藤氏の存在は、単なる業務遂行者にとどまらず、会社全体の成長を加速させる原動力となっています。
持続的成長への道筋を示すプロ人材の力
プロ人材を活用した今回の取り組みは、経営課題の解決にとどまらず、組織全体の活性化と持続的成長への道筋を示しました。同社の事例は、異業種経験を持つ人材が中小企業にもたらす可能性を如実に示すものです。
人材紹介会社を活用し、プロ人材を迎え入れることは、中小企業が抱える課題に対処する有効な手段です。同社の取り組みは、地域企業にとっての模範的な成功事例となり、地域経済の活性化にも寄与しています。