SNS活用で販促と社員育成を同時に進める新戦略
贈答品市場の変化に対応する新たな販促アプローチ
フジキコーポレーション株式会社は、贈答品販売を主力事業として発展してきた企業です。しかし、少子高齢化が進行する中で、贈答需要に依存した従来のビジネスモデルでは、持続的な成長が難しいという判断をしました。そこで同社は、自家用商品や手土産需要に対応する新商品(例えばレトルトカレーやスイーツなど)の企画・販売を開始しました。この新しい戦略には、これまでと異なるマーケティングアプローチが必要でした。顧客との接点を増やし、商品を認知してもらうために、SNSを活用する方向性を模索し始めました。しかし、社内にSNS運用の専門知識を持つ人材がいないため、試行錯誤の日々が続いていました。
専門家による社員育成を目的としたSNS講習会の導入
SNS活用を効果的に進めるには、技術的なスキルだけでなく、社員がやりがいを感じ、自信を持って取り組むことが重要と考えられました。同社では、社内の各店舗が独学でSNSを運用してきましたが、運用レベルを全体的に底上げするため、WEBマーケティングの専門家を招きました。プロフェッショナル人材として参画した藤原氏は、社員向けに「SNS販促若手社員勉強会」を開催しました。この勉強会では、投稿の内容やターゲット設定の重要性、効果検証の方法などを具体的に指導。また、月曜日にはリーダー社員4名とのオンラインミーティングを通じて、運用スキルを磨く実務研修を継続的に実施しました。
SNS活用で地域密着型ブランドを構築
SNS運用において特に力を入れたのは、InstagramやLINE公式アカウントです。同社の特徴である地域密着型の営業スタイルを最大限に活かし、地元の若い世代にアプローチするための投稿戦略を練りました。SNSを通じて、商品や店舗への親近感を持ってもらい、ファンを増やすことを目標としました。特にLINE公式アカウントは、地域のイベント情報や限定商品のプロモーションに活用され、多くのフォロワーを獲得しています。SNSによる情報発信が、これまで届かなかった顧客層にアプローチする重要な手段として機能しています。
社員の意識改革とボトムアップの風土醸成
SNS活用の取り組みは、社員の意識にも大きな変化をもたらしました。毎週のWEBミーティングや勉強会を通じて、社員たちはSNSの運用スキルを向上させるだけでなく、自分たちが企業の顔として発信する意識を高めることができました。また、会議や研修で発言する社員が増え、意見交換が活発化したことは社内全体の風土改革にもつながりました。以前は与えられた仕事をこなすことが中心だった社員たちが、今では自らアイデアを出し、積極的に取り組む姿勢を見せています。藤原氏の柔軟な対応と同じ目線での取り組みが、こうしたポジティブな変化を引き起こしたといえるでしょう。
SNS活用の成果と今後の展望
SNSを活用した販売促進の取り組みは、少しずつ目に見える形で成果を上げ始めています。例えば、Instagramの投稿がきっかけで来店した顧客が増えたという事例や、LINE公式アカウントの登録者がキャンペーン情報を受け取って購買行動に結びついたケースも報告されています。さらに、SNS運用を通じて地域との関係を深め、企業としてのブランド価値を高める効果も期待されています。同社は今後もSNS活用の取り組みを進めるとともに、社員のスキル向上とモチベーションアップを目的とした教育を継続していく方針です。
地域企業のモデルケースとしての成功事例
プロフェッショナル人材の活用による成果は、SNS活用というデジタル施策だけにとどまりません。同社の取り組みは、地域企業が外部の専門家と連携することで新たな価値を創出し、組織の成長につなげる好例です。地域密着型のビジネスモデルをベースに、次世代の顧客層にリーチするための施策を実行しながら、社員の成長を支える仕組みづくりを進めています。この成功事例は、他の企業にも応用可能な貴重な学びを提供しています。同社は今後も地域のリーダーとして、新しい価値を生み出し続けるでしょう。