プロ人材の採用で新規受注対応力を強化し、事業拡大を実現

高度な技能を持つプロ人材の採用で新規受注を加速

株式会社明和機工は、大阪市に拠点を置く老舗企業で、航空機部品や防衛部品、特殊部品の製造を行っています。しかし、近年ではコロナ禍による航空機需要の減少が大きな打撃となり、売上の半分以上を占めていた航空機部品製造が激減しました。このような危機的状況の中、同社は既存取引先に対する積極的な営業活動を強化し、防衛部品などの新規案件を獲得することに成功しました。しかし、新規案件を進めるにあたり、社内の技術者が不足しているという課題に直面しました。新たな業務には、顧客から提供される図面データをもとにプログラミングを行い、それを工作機械に適用する高度なスキルが求められるため、同社はその課題解決に向けて新たな戦略を模索する必要がありました。

同社では、大型部品を扱うための門型5軸加工機などの特殊設備を保有しており、この機械を活用した新規案件を効率的に進めるためには経験豊富な技術者が必要不可欠でした。しかし、社内にはこれらの設備を熟練した技術で運用できる人材が少なく、さらに新規受注案件を円滑に進めるためのスキルを持つ人材も不足していました。このような状況下で、即戦力となるプロ人材を外部から採用することを決定しました。高度なスキルを持ち、かつ現場に馴染みながらチームをリードできる人材の確保は、同社の成長にとって不可欠なステップだったのです。

プロ人材の採用と即戦力としての適応

採用された庄司氏は、前職で試作品の設計・加工を担当しており、プログラム設計やNC機の操作など、同社が求めるスキルを幅広く有していました。特に試作品を扱う中で培われた臨機応変な対応力や責任感の強さが、同社のニーズと見事に一致しました。入社前、庄司氏は前職の仕事を最後まで全うするために予定より入社時期が遅れたものの、その責任感と誠実な対応が採用の決定打となりました。また、30代の社員が多い現場において、庄司氏の30代半ばという年齢は非常に馴染みやすく、現場でのコミュニケーションがスムーズに進むことが期待されていました。

入社後、庄司氏は即座に現場の戦力として活躍し始めました。特に、新規案件だけでなく、現在の主力事業であるステンレス口金の生産現場でも、その熟練した技術が早速発揮されています。さらに、治工具の製作にも優れた腕前を見せ、同社の製造プロセス全体の効率向上に寄与しています。庄司氏のような高度な技術を持つプロ人材の存在は、単なる作業者としてだけでなく、現場全体の士気向上や技術の伝承にも貢献しているといえるでしょう。

現場における多能工化の推進と未来への展望

庄司氏の採用により、同社が進める多能工化の取り組みが大きく前進しています。同社では、すべての技能職がさまざまな加工を担うことができる体制を目指しており、庄司氏にもその一環として大型工作機械の操作やクレーンの使用方法を習得するためのマンツーマン指導が行われています。これにより、庄司氏自身のスキルセットがさらに拡大するとともに、現場全体の効率性が向上しています。また、新規案件においては、庄司氏が持つプログラミングや工程設計のスキルが、これまで同社が対応できなかった高度な要求に応える原動力となっています。

こうした庄司氏の活躍は、他の社員にも好影響を与えています。特に、多能工化の目標に向けた取り組みが進む中で、社員一人ひとりが新たなスキルを身につける意欲を高めており、現場全体の活性化が実現しています。さらに、庄司氏の提案をもとにした新たな設備投資も検討されており、同社の生産能力を大きく引き上げる計画が進行中です。

外部支援の活用による採用成功

今回のプロ人材採用では、信用金庫の紹介を通じて大阪府プロ人材支援制度を活用したことが成功の大きな要因となりました。同社の代表は、「人手不足が叫ばれる中で、必要なスキルを持つ人材を迅速に紹介してもらえたことは非常にありがたかった」と語っています。外部支援を活用することで、即戦力となる人材をスムーズに確保できたことが、同社の成長戦略にとって重要な一歩となりました。

プロ人材の力で未来を切り拓く

庄司氏の採用により、明和機工は新規受注案件の対応力を高めるだけでなく、現場全体の技術力や生産効率を向上させる基盤を築きつつあります。多能工化を推進しながら、さらなる設備投資を進めることで、今後の事業拡大に向けた足場を固めています。この取り組みは、同社にとって外部環境の変化に対応するだけでなく、内部の改革を進める重要な転機となっています。プロ人材の力を活用することで、明和機工は新たな可能性を切り拓き、持続的な成長を実現するための道筋を着実に歩んでいます。

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