ITツールを活用した工数管理体制の構築で業務効率化を実現
長期的成長を見据えた原価管理体制の課題
地質調査業を展開する株式会社中部ウエルボーリング社は、1947年の創業以来、安定した経営を続けてきました。しかし、急速に変化する市場環境に対応するため、従来の方法を見直し、成長戦略を描くことが必要だと認識しました。その第一歩として、プロジェクトにおける原価管理の重要性に着目しました。
原価管理の中でも特に、労務費計算の基礎となる「工数管理」の仕組みが未整備であったため、ITツールを活用した効率的な管理体制の構築が急務でした。しかし、ITツールの導入や運用に必要なスキルを持つ社内人材が不足していたため、外部のプロ人材に支援を求めることにしました。
プロ人材の活用で実現した迅速なITツール導入
プロフェッショナル人材戦略拠点のセミナーで副業・兼業人材の活用を知った同社は、外部の人材紹介サービスを通じて、ITツール導入のエキスパートである柾木氏を採用しました。柾木氏は、複数の企業でIT活用や計数管理の経験を持ち、短期間で成果を出すことに長けたプロ人材です。
採用後、柾木氏は以下のステップで工数管理体制の構築を進めました：
- 現状分析と要件定義
初回のオンライン面談を通じて、同社の現状と課題を徹底的に洗い出し、必要なITツールの要件を明確化。 - ツール選定と導入支援
市場にある複数のツールを比較し、「クラウドログ」を導入。ツールの選定にあたっては、ベンダーと直接連絡を取り詳細な情報を収集。 - 利用体制の構築と社員教育
各社員のアカウントを発行し、ITツールの操作方法をオンライン研修で指導。社員のITスキル向上を促進。 - 運用開始と改善サイクルの確立
新規プロジェクトから順次、工数管理を実施。プロジェクト進捗をチャート形式で可視化し、レポート出力も可能な体制を構築。
工数管理の成果と今後の展望
「クラウドログ」を導入した結果、各プロジェクトの「いつ」「誰が」「どの業務に」「どれだけ従事したか」がリアルタイムで把握できるようになりました。また、これまで曖昧だった労務費計算が正確に行えるようになり、予算策定の精度が向上しました。
さらに、工数管理によってプロジェクト進捗が見える化されたことで、業務効率が向上。現場の従業員も、自身の作業がどのように全体の成果に貢献しているかを実感できるようになり、モチベーションの向上にもつながりました。
柾木氏は、リモートワークを基本としつつも、2週間に1〜2回のオンライン会議で進捗を共有。密なコミュニケーションを通じて、迅速かつ効率的にプロジェクトを推進しました。
原価管理を起点とした成長戦略の加速
今回の工数管理体制の構築を基盤として、同社は今後さらに原価管理や予算実績管理を精緻化し、全社的な業務効率化を進める計画です。これにより、成長戦略を描くための基盤が整い、将来的には新規事業の展開や既存事業の競争力強化にもつながると期待されています。
プロ人材の活用によって、短期間で成果を出しつつ、社員全体のスキルアップと業務効率化を実現した中部ウエルボーリング社の事例は、多くの中小企業にとって示唆に富む成功モデルといえるでしょう。
