物流現場の効率化と新規事業開発で持続可能な成長を実現する取り組み

株式会社静岡オリコミは、折込広告チラシの配送を中心とした広告代理店として、創業以来、静岡県内の物流を支える重要な役割を担ってきました。同社は、印刷会社から納品されたチラシを倉庫で保管し、各新聞販売店へ配送する物流機能を自社で運営しています。しかし、競合他社との事業統合を経て、物量の急増と作業負担の増大に直面しました。また、折込広告市場が縮小する中、新規事業の開発も求められていました。静岡オリコミは、これらの課題に取り組むため、プロ人材の支援を受け、生産性向上と新規事業開発を進めています。

物流現場が抱える課題と改善の必要性

折込広告の市場縮小が進む一方で、競合他社との事業統合により、同社の物流現場では一時的に物量が急増しました。倉庫や配送現場の労働環境が悪化する中、業務の非効率性や属人化が顕在化していました。また、折込広告市場が縮小した後の新規事業を模索する必要性も高まりましたが、経営層には物流に関する専門知識が不足しており、改善の方向性が明確に定まらない状況でした。

こうした中で、物流現場の生産性向上と新規事業開発の両方を実現するためには、外部からの知見とノウハウの導入が不可欠でした。

プロ人材の導入による課題解決

静岡オリコミは、物流分野での豊富な経験を持つプロ人材・小原徹治氏を招き、現場改善と新規事業の基盤作りに取り組みました。小原氏は、アマゾンジャパンでの倉庫オペレーションマネジメントやKPI導入の経験を活かし、物流現場の効率化を推進しました。具体的な施策は以下の通りです：

1. 定時発車のオペレーション構築

出荷量や納品タイミングの変化に柔軟に対応する仕組みを導入しました。
出荷・入荷予測を数値化し、タイムリーな情報共有を促進しました。
現場の「見える化」により、作業の無駄を排除し、生産性を向上させました。

2. 属人化した手順の標準化

マニュアルを作成し、手順を標準化することで、生産性向上のボトルネックを解消しました。
特に「丸梱飛ばし」という重要なプロセスを課員全員が対応可能にし、業務の効率化を実現しました。

3. 年末ピーク時の特別オペレーション構築

配送会社の手配や駐車スペースの調整を行い、ピーク時の入荷・出荷量に対応可能な体制を整えました。
特別なオペレーションを構築することで、繁忙期の業務負担を軽減しました。

これらの施策により、物流現場の処理能力は20％向上し、業務効率化が実現しました。

新規事業開発への取り組み

物流現場の改善に加え、静岡オリコミは新規事業の開発にも力を入れています。折込広告市場の縮小に対応するため、物流業務の効率化を進めながら、蓄積したノウハウを活かした新たなビジネスモデルの構築を目指しています。小原氏のサポートにより、短期・中期・長期の課題を明確にし、それぞれの解決に向けたロードマップが策定されました。