人材育成と経費削減意識改革で組織力を向上させる取り組み
株式会社ナカニシビジョンは、海外眼鏡メーカー向けのOEM製造を主力事業とする企業であり、世界的なブランド製品を多数手掛けています。同社では、経営の要である総務・財務部門の幹部退職をきっかけに、組織の体制構築と経費削減を重要課題として掲げ、新たな人材の採用と内部改革に着手しました。人材育成の仕組みづくりと社員の意識改革を通じて、組織力の向上を目指しています。
総務・財務部門の後継者確保と体制強化
ナカニシビジョンでは、総務・財務部門のベテラン幹部が退職することとなり、幅広い業務を引き継げる後継者の確保が急務でした。業務範囲が多岐にわたるため、財務、経理、人事、総務のすべてに精通し、さらに社員教育を推進できる管理者が求められていました。
プロ人材拠点を通じて紹介された蓑輪氏は、地方銀行での豊富な管理職経験と、業務効率化や人材育成に関する深い知識を活かし、同社の成長に貢献することが期待されました。
人材育成の仕組みづくりで持続可能な組織を目指す
蓑輪氏は、総務財務課長として約10名のチームを率い、まず人材育成の仕組み構築に注力しました。外部講師を招いた研修制度を導入し、技能講習や外部研修への社員派遣を推進。特に、新卒採用が困難な中での若手人材の確保に取り組み、地元の工業系大学や職業訓練校との連携を強化しました。
その結果、外国人留学生の採用内定に至るなど、多様性を取り入れた人材採用の成功事例が生まれています。
経費削減と原価管理の徹底
もう一つの重要課題である経費削減においては、蓑輪氏の指導のもと、原価管理や部門ごとのコスト分析が進められました。エネルギー効率の見える化や具体的なデータを基にした部門別の改善提案を通じて、社員一人ひとりの意識改革を促進。これにより、業務効率が大幅に向上し、採算性を重視した運営体制が構築されつつあります。
社員の働きやすさを追求する職場環境整備
ナカニシビジョンは、女性社員が4割を占める職場環境の中で、子育て支援や福利厚生の充実を図り、健康経営優良法人の認定を2017年から継続して取得しています。
また、蓑輪氏が経営陣と社員の橋渡し役となることで、風通しの良い職場作りを進めています。こうした取り組みが、社員の働きがいと組織全体の活性化に繋がっています。
グローバル市場を見据えた成長戦略
同社は、グローバル市場の景気回復を見据え、輸出フレーム製造の拡大を計画しています。採用した新たな人材の力を借りて、業務効率の向上と社員教育を進めながら、次世代に向けた利益率の向上と経営基盤の強化を図っています。
持続可能な成長のための礎を築く
蓑輪氏のリーダーシップの下、人材育成と経費削減に関する取り組みが進む中、ナカニシビジョンは持続可能な成長を目指しています。外部機関を活用した人材採用や社員教育の充実、コスト意識の醸成により、同社はこれからも地域に根差しながらグローバル市場での競争力を高めていくことでしょう。
この取り組みは、地方企業が抱える経営課題を解決するモデルケースとして、多くの企業にとって参考となる事例と言えます。