間接部門の効率化で企業成長を加速――吉田金属工業株式会社の挑戦
吉田金属工業株式会社は、新潟県燕市を拠点に、手術用メス材を使用した高品質な家庭用・業務用包丁を製造販売しています。同社は1954年の創業以来、直接部門の強化に注力し、高い評価を得てきました。しかし、間接部門の効率化が後回しになっていたことから、持続的な成長に向けた課題が浮き彫りになっていました。
このような状況を受け、同社は人事・総務の経験を有し、IT知識を活用して業務の効率化と安定化を図る人材の採用を決断しました。この取り組みにより、組織全体のパフォーマンスを向上させ、持続的な成長への基盤を整えることに成功しました。
間接部門の課題と人材採用の背景
吉田金属工業では、直接部門に比べ、間接部門の効率化が遅れており、業務の非効率性が課題となっていました。特に、総務部門では業務量の増加に伴い、日常業務に追われ、新たな施策に取り組む余裕がありませんでした。
この状況を打破するため、同社は総務・人事の豊富な経験とIT知識を兼ね備え、根気強く課題に取り組める人材を求めました。その結果、人事・労務の知識に加え、システム導入や業務効率化の実績を持つ長﨑氏を採用することとなりました。
総務業務のIT化で効率化を実現
長﨑氏の入社後、総務業務のIT化が急速に進みました。給与計算業務では、従来の手作業を大幅に削減するためにシステムを導入。これにより、作業時間を約8割削減しました。また、各種申請業務にも電子申請システムを導入し、従来の手書き・郵送によるプロセスを廃止。これにより、事務作業を約5割削減することに成功しました。
さらに、銀行手続きの電子化を推進し、小切手の発行や手続きにかかる作業時間を約9割削減しました。これらの取り組みを通じて、総務部門の業務効率は飛躍的に向上し、限られたリソースをより戦略的な業務に割り当てることが可能になりました。
IT化による組織力の向上
総務業務のIT化に加え、長﨑氏は業務のマニュアル化を進め、部内のスキル共有と互換性向上に貢献しました。これにより、業務の属人化を防ぎ、組織全体の柔軟性が向上しました。また、IT知識を活かして社内のPC関連の相談役としても活躍し、全社的な貢献を果たしています。
長﨑氏の取り組みにより、総務部門だけでなく、会社全体の業務効率が向上。直接部門と間接部門がバランスよく機能する体制が整い、企業全体の組織力が強化されました。
成果と今後の展望
吉田金属工業は、長﨑氏の活躍を通じて、間接部門の効率化と安定化を実現しました。短期間で大幅な効率化を達成したことで、直接部門にリソースを集中できる環境が整いました。
今後は、新たなITプロジェクトの推進や人材育成を通じて、さらなる成長を目指します。同社は、ブランド力と経営戦略を支える間接部門の強化を通じて、持続可能な企業成長を続けることでしょう。
吉田金属工業の事例は、直接部門だけでなく間接部門の効率化が企業の成長において重要であることを示す好例です。同社の取り組みは、多くの企業にとって参考になる実践モデルとなっています。