主体的に考え行動する人材の力—株式会社Atomisの研究開発成功の鍵
多孔性性配位高分子技術で未来を拓くベンチャー企業
株式会社Atomisは、京都大学発の素材系ベンチャー企業として2015年に設立され、多孔性配位高分子(PCP/MOF)技術に特化した製品とソリューションを提供しています。設立から数年で、「ヒト・モノ・カネ」が不足する中、特に「自ら考えて行動できる即戦力の人材」の採用が経営課題となりました。こうした状況を打破するため、京都府プロフェッショナル人材拠点の支援を受け、2019年に和佐野達也氏を迎え入れることに成功しました。
プロ人材採用で課題解決と成長加速
和佐野氏は、京都大学で博士号を取得後、国内外の大学で博士研究員を務めた有機合成化学の専門家です。彼の採用により、年間数十件に及ぶ素材開発依頼に迅速かつ高品質に対応する体制が整いました。これまで外部委託していた試薬の製造を内製化することで、調達期間を2か月から1週間に短縮し、コスト削減を実現しました。この成果は、企業の収益向上だけでなく、事業運営全体の効率化にも寄与しています。
CubiTanプロジェクトでの挑戦
Atomisは自社開発のガスボンベ供給サービス「CubiTan」の研究開発も進めています。このサービスは多孔性配位高分子技術を活用し、これまでにない吸着剤の開発を目指しています。和佐野氏は、試行錯誤を重ねながら各種ガス実験を進め、実用化に向けて重要なデータを蓄積。これらの取り組みは、新市場の開拓と顧客満足度向上に向けた重要なステップとなっています。
主体性が求められる環境での働きがい
Atomisでの仕事は、指示待ちではなく、自ら問題を見つけ、解決策を探ることが求められます。この環境で和佐野氏は、研究の自由度と責任の大きさを活かし、成果を上げる喜びとやりがいを感じています。また、自分の努力が直接企業の成長に貢献することを実感しながら働けることがモチベーションとなっています。
プロ人材活用の成功事例としてのAtomis
和佐野氏の採用は、京都府プロフェッショナル人材拠点と地元人材紹介会社との連携による成功例です。社内リソースが限られた中、企業の要望を的確に把握し、求められるスキルとマッチする人材を見つけ出した結果、Atomisは経営課題を克服し、大きく成長しました。
未来への挑戦—さらなる事業拡大へ
Atomisは、研究開発と市場拡大の両輪で持続可能な成長を目指しています。今後も多孔性配位高分子技術を基盤に、新たな製品やサービスを生み出し、国内外の市場での地位を確立していくでしょう。プロ人材の活用を通じて得た成功体験をもとに、さらなる挑戦を続けています。
まとめ
和佐野氏のようなプロ人材の活躍は、Atomisの技術革新と市場開拓に大きく寄与しています。主体性を持つ人材の重要性を示すとともに、プロ人材活用が経営課題解決の有効な手段であることを示した事例です。