前例主義を改革し生産性を向上:住岡食品株式会社が挑む新たな生産管理体制

老舗食品メーカーの成長課題に迫る
静岡県浜松市に本社を構える住岡食品株式会社は、乾麺、即席麺、健康食品の製造販売を手掛ける創業1910年の老舗企業です。時代のニーズに応じた事業展開により、受託製造の形態で成長を続けています。しかし、さらなる事業拡大に向けて、生産管理体制の統一化や職人気質が根強い生産現場の改善が急務となっていました。

経営課題:意識改革と生産性向上
住岡食品の最大の課題は、長年の前例主義が根付いた企業体質の改革でした。職人技術を標準化し、ムダを削減するためには、トヨタ生産方式(TPS)や全社的保全(TPM)を導入する必要がありました。また、データ分析に基づく生産計画の最適化を図ることで、コスト削減や生産効率の向上が期待されていました。

プロ人材の活用:足立氏のリーダーシップ
大手電池メーカーで製造部門の責任者を務めた足立昌彦氏を迎え入れたことで、同社の改革は一気に進みました。足立氏の主な取り組みは以下の通りです:

  • 中期計画の策定と実施:各工場の特性を考慮し、生産計画表と実績表の差異を分析。効率化を目指した計画を策定。
  • 現場教育と意識改革:教育資料を作成し、現場管理者への指導を実施。職人文化に根差す前例主義の改善を図りました。
  • 設備投資によるコスト削減:検査装置の導入計画により、2,700万円のコストダウンを実現。また、洗浄作業を削減する超音波洗浄機を導入し、年間820時間の作業時間を削減しました。

現場を巻き込んだ改善効果
足立氏は各工場を巡回し、担当者や管理職との密なコミュニケーションを通じて課題を抽出。データ分析を基に課題解決を進め、現場からの信頼を獲得しました。その結果、職人たちの意識改革が進み、全社的な改善活動が活性化しました。

組織力向上と若手育成への期待
同社では足立氏の指導力により、既存の生産体制が大きく改善されました。若手社員への教育にも注力し、次世代を担う技術者を育成しています。代表取締役の住岡氏は、「足立氏の活躍によって、当社の持続的な成長への道筋が見えてきた」と評価しています。

まとめ:攻めの生産管理体制で未来を切り開く
住岡食品は、プロ人材の活用により課題を的確に捉え、生産性向上とコスト削減を実現しました。同時に、現場全体の意識改革を進め、組織力の向上に成功しています。これからも食品受託製造メーカーとしての地位を強化し、新たな成長ステージへ進むことが期待されます。

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