グローバル展開と生産性向上に挑む湘南合成樹脂製作所の改革

湘南合成樹脂製作所は、1948年の創業以来、プラスチック製品と金型設計製作を中心に事業を展開してきました。同社の強みは、プラスチックを応用した建設関連製品の研究開発であり、国内外の特許を取得し、タイ、韓国、中国などへグローバル展開を進めています。しかし、近年は海外拠点の管理体制強化や生産性向上、IT化といった課題が浮き彫りとなり、特に海外工場の責任者の後任育成が急務でした。

海外事業の課題とプロ人材の導入

タイ工場では現地責任者が数年内に定年を迎える予定であり、後任者として経験豊富なプロ人材を探していました。さらに、海外拠点の利益率向上やIT化、生産効率の改善も重要な課題でした。こうした状況下で採用されたのが、大手化学繊維メーカーや外資系プラスチック成形メーカーで工場長を務めた経験を持つ山田晋也氏です。山田氏はプラスチック成形を専門とし、海外での工場運営経験を活かせる即戦力として期待されています。

IoT化と生産性向上の実現

山田氏は就任後、国内外の生産拠点で多岐にわたる改革を進めました。まず、TV会議システムを導入し、工場内にカメラを29台設置。これにより、製造管理や安全管理がリアルタイムで「見える化」され、国内外の工場との連携が強化されました。また、タイ工場では税理士と連携し、利益率向上に向けた現状分析と改善計画を進めました。一方で、国内工場では生産計画や進捗管理を紙媒体からデジタル化し、スペースの有効活用を図るラック導入などの取り組みも行われました。

組織全体の連携を高める風土改革

山田氏は現場や経営陣と活発に議論し、部署間の垣根を取り払い、全社的な連携を強化しました。社員一人ひとりと向き合い、意見交換を通じて改革案をまとめるプロセスを重視。これにより、現場スタッフも改革に納得し、実行に移す土壌が整いました。このような社風が、IoTや生産管理の改善を加速させ、結果として生産性向上を実現しています。

プロ人材活用の成果

プロフェッショナル人材拠点のサポートを通じて採用された山田氏は、企業のニーズに的確に応える存在となっています。国内外の拠点で、見える化やIoT化、生産効率向上を実現し、湘南合成樹脂製作所のグローバル展開を強力に支えています。採用から間もない段階でありながら、改革の成果が現れつつあり、さらなる発展への期待が高まっています。

湘南合成樹脂製作所は、プロ人材の力を借りて課題を乗り越え、国内外の成長を続けています。同社の取り組みは、中小企業が持つポテンシャルを引き出す成功例として注目されています。

Follow me!