管理会計の迅速化と組織力強化で地域密着型ハウスメーカーの成長を加速

経営課題に向き合うためのプロ人材の必要性

香川県観音寺市を拠点とする株式会社三協は、個人住宅の新築やリフォーム、土地取引を手がける地域密着型のハウスメーカーとして、昭和58年の設立以来、着実に成長を続けてきました。しかし、地域内外の競争が激化する中、経営戦略を的確に判断するための経理業務の内製化と迅速な数値化が課題となっていました。特に、外注していた経理業務がリアルタイムでの管理会計を妨げ、迅速な経営判断を行ううえでの障害となっていました。

そのため、経理業務を内製化し、管理会計の仕組みを構築できるプロ人材の採用を決意。香川県プロフェッショナル人材戦略拠点を活用し、大手建設企業での豊富な経験を持つ野下氏の採用に至りました。

経理業務の内製化で迅速な数値化を実現

野下氏は入社後、まず経理業務の内製化に取り組みました。それまで試算表や月次決算に時間がかかり、経営判断が後手に回ることが課題でしたが、クラウド会計システムの導入と運用を開始。これにより、各営業所で経費データの入力を効率化し、必要なデータをリアルタイムで取得できる環境を整えました。

これまで数週間から数ヶ月かかっていた月次決算も、翌月中旬には確定するようになり、迅速な経営判断が可能に。経営陣はこれを基に、売上や経費の状況をタイムリーに把握し、戦略的な意思決定を下すことができるようになりました。

部下の育成と組織の基盤強化

経理業務の改善にとどまらず、野下氏は部下の教育にも力を注いでいます。経理や総務のスタッフに対して、業務の原理原則を丁寧に指導し、各自が疑問を持っていた点を解消することで、業務の質を向上させました。その結果、社員たちは経理や社会保険手続きなどの業務を自立して行えるようになり、組織全体の生産性が向上しました。

また、野下氏の親しみやすい人柄と的確な指導は、社員からの信頼を集め、管理部門の連携を強化。経理、総務、人事の業務がスムーズに進むようになり、全体の業務効率が大幅に向上しました。

管理本部部長としてのリーダーシップ

野下氏は経理業務の迅速化だけでなく、組織全体の改革にも貢献しています。経理・総務部門を「管理本部」として再編し、管理本部部長として社長の右腕としての役割を担っています。経営陣の良き相談相手として、組織運営のサポートや企業風土の改善に取り組んでおり、社員のモチベーション向上にも寄与しています。

さらに、管理会計に基づく数値分析を活用し、経営陣に対して適切な助言を行うことで、経営戦略の立案を支援。また、労務管理や人事制度の見直しにも関与し、持続可能な成長を支える組織基盤を構築しています。

プロ人材活用による未来志向の経営改革

株式会社三協の取り組みは、プロ人材を活用して経営課題を解決し、持続的な成長を目指す成功例として注目されています。経理業務の内製化による管理会計の迅速化や部下の育成を通じて、組織全体の生産性が向上しました。

また、経営判断の迅速化は、競争が激化する住宅業界において、差別化を図るための重要な要素となっています。プロ人材の導入によって得られた成果は、単なる業務改善にとどまらず、組織力の強化や社員の成長を促進する良い循環を生み出しています。

地域密着型企業としての価値をさらに高め、競争力を持続的に維持するためには、こうしたプロ人材の活用が今後も欠かせないものとなるでしょう。

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