自社ECサイトのアクセス解析で明確化した課題と効果的な運用
長野県長野市に拠点を置くダンクセキ株式会社は、創業76周年を迎えた製本・印刷会社です。長年の技術を基盤に、2005年よりフォトブックサービスを展開し、その一環で立ち上げた自社ECサイト「フォトレボ」は、現在同社の売上の約2割を占める主要事業に成長しました。しかしさらなる成長を目指すためには、WEBマーケティング強化が必要であり、プロ人材の力を借りて課題解決に取り組みました。
課題の背景:リソース不足と情報共有の壁
同社の課題は、複数の自社ECサイト運営に伴うリソース不足でした。特に、アクセス解析や顧客情報のデータ活用が後回しになりがちで、部門内での情報共有も十分に行われていませんでした。そのため、現状を数値化し、具体的な改善策を導き出すことが急務となっていました。
さらに、従来の感覚的な顧客理解から脱却し、データドリブンな運営を実現する必要がありました。こうした背景から、外部のプロフェッショナルな人材によるWEBマーケティング支援を求め、プロ人材事業を通じて都内IT企業に勤務するI氏とマッチングが実現しました。
詳細なアクセス解析で現状を「見える化」
I氏の参画により、Googleの専用ツールを活用した詳細なアクセス解析が行われました。解析では以下の項目が明確化されました:
- アクセス数や地域分布
- 顧客層の属性(年齢・性別など)
- 検索ワードの傾向
- ページごとのアクセス状況(高いページ・低いページ)
- 離脱率の高いページ
これにより、サイト全体の課題が数値として浮き彫りになり、どのページをどのように改善すべきか具体的な方向性が示されました。
サイト改善とWEB広告運用の強化
解析結果に基づき、I氏は効果的な検索ワードの選定とWEB広告の最適化を提案しました。これにより、広告運用が効率化され、ターゲット顧客へのリーチが大幅に向上しました。また、課題が明確になったページについては、迅速に改修を進め、ユーザー体験の向上を実現しました。
オンライン会議を通じて定期的に進捗を確認し、データ分析結果を共有することで、社内チームの理解と協力を得ながら施策を推進。結果として、サイトの運用効果が着実に高まり、事業全体の成長を後押しする基盤が整いました。
プロ人材活用がもたらした効果
I氏の参加により、以下の具体的な成果が得られました:
- データドリブン運営の確立:感覚的な運営から脱却し、数値に基づく意思決定が可能に。
- 広告効果の最大化:適切な検索ワードと広告戦略により、顧客リーチが向上。
- サイトの使いやすさ向上:ユーザー行動データに基づく改修で、離脱率を低減。
- 社員のスキル向上:解析結果を共有し、部門間の連携が強化された。
プロ人材が地方企業にもたらす新しい可能性
副業としてプロ人材を活用する取り組みは、単なる外部委託と異なり、同じ会社の一員として目標を共有できる点が大きな利点です。I氏の専門的な知識と柔軟な対応力は、ダンクセキにとって欠かせない存在となり、同社スタッフからも高く評価されています。
地方企業が大都市部のプロ人材をリモートで活用する事例として、この取り組みは注目に値します。ダンクセキはプロ人材の力を借り、さらなる成長を目指して着実に成果を上げています。
今後の展望
「フォトレボ」の成功を足掛かりに、ダンクセキはデジタル化を加速させ、地方企業ならではの柔軟性とプロ人材の専門知識を融合させた新しいビジネスモデルを構築しています。この挑戦は、地方企業が競争力を維持しながら成長するためのロールモデルとなるでしょう。