110年以上の伝統を持つ学園が挑む経営管理体制の刷新と未来への一歩
神奈川県伊勢原市にある学校法人向上学園は、110年以上の歴史を誇る教育機関です。この学園では高等学校と中等教育学校を運営し、地域の教育を支える重要な役割を果たしてきました。しかし、少子化が進む現代、生徒や保護者に「選ばれる学校」となるためには、より魅力的な学校づくりが求められています。その中核には、教育環境の整備と経営管理体制の効率化が欠かせません。
近年、同学園では築38年となる校舎の老朽化が進み、施設修繕の必要性が増していました。広大な敷地を持つ同学園にとって、建物の維持費や修繕コストは大きな負担となっており、限られた予算の中でこれを解決する方法が課題でした。また、教職員が事務作業に追われ、教育活動に専念できない状況も改善が必要とされていました。このような経営課題を解決し、持続可能な運営を実現するため、プロフェッショナル人材拠点を活用し、新たな人材を採用することを決断しました。
プロ人材の導入による経営管理体制の強化
学園が求めたのは、民間企業で培った幅広い視野と経験を持つ人材でした。特に、経費削減や働き方改革、業務効率化など、学園運営全体を見渡して改善を進められる能力が必要とされていました。そこで採用されたのが、宅建資格を有し、ホテルチェーンや生命保険会社での総務・管理業務の経験を持つ石井氏です。
石井氏は、施設管理や土地交渉、契約管理の知見に加え、30名以上の事務局職員をまとめる管理能力を発揮。教職員が教育に専念できる環境づくりを推進しつつ、業務全体の効率化に取り組みました。
業務効率化とコスト削減の具体的成果
石井氏の就任後、まず進められたのは事務局の業務効率化です。同敷地内で運営される複数の学校で異なるシステムが使われていたため、これを統合しペーパーレス化を実現。物品調達の一元化を進めることで、コスト削減だけでなく、業務の無駄を排除しました。
削減されたコストは、新たな取り組みに活用されています。例えば、正門に警備員を配置する施策が実現しました。これまで教職員が当番制で行っていた校内の見回り業務を外部に委託することで、教職員の業務負担を軽減。生徒や保護者からも「安心して通える環境が整った」と高評価を受けています。
さらに、学園敷地内の一部が借地となっており、その賃料の見直しも大きな成果の一つです。石井氏の宅建資格を活かした交渉により、賃料削減が実現し、財務負担を軽減しました。これらの施策は、単なる経費削減に留まらず、学園全体の運営効率を向上させ、教職員の働きやすさにも寄与しています。
学園の魅力向上と未来への展望
効率化による経費削減は、教育環境の充実化にもつながっています。例えば、昨年完成した「向上令和グラウンド」は、生徒たちが練習や試合に熱中できる設備として、多くの喜びの声を集めています。また、教職員が教育活動に専念できるようになったことで、授業の質の向上や生徒へのサポート体制の強化が進みました。
石井氏は、単なる業務効率化だけでなく、学園全体の組織力向上に向けた施策も推進しています。教職員と連携しながら、組織の役割分担を明確化し、責任を持って業務に取り組める環境を整備。新たな挑戦を後押しする土台を築いています。
プロ人材活用がもたらす可能性
向上学園がプロ人材を導入したことで得られた成果は、学園運営全体に大きな変化をもたらしました。石井氏の経験と知見を活かした施策は、教育の質向上だけでなく、持続可能な学園運営の実現に寄与しています。
同学園の取り組みは、教育機関が直面する課題を解決するモデルケースとも言えるでしょう。これからも学園は、プロ人材の力を活用しながら、時代に即した教育環境を整え、生徒や保護者から信頼される学園づくりを進めていくことでしょう。この成功事例は、他の教育機関や企業にとっても、人材活用の可能性を示す大きな一歩となるはずです。