副業・兼業プロ人材活用
当社は長い社歴の中で、これまで安定した経営を続けてきましたが、今後の不確実な状況下においては、あらゆる点で今まで通りのやり方が通用しなくなると考えています。同じことをしていれば同じだけの利益が得られるという考えを払拭し、社員とも危機感を共有していくことが必要と考えるようになりました。
そのため、今後の飛躍には成長戦略の策定と行動計画への落とし込み、そして組織活性化が課題であると認識していますが、プロジェクトの原価をはじめ、現状把握のための情報が乏しい状態にあり、改善したいと考えていました。特に原価管理のうち、労務費計算の基礎となる「工数管理」の有効な導入方法を模索していました。
工数管理は、「いつ」「誰が」「どの業務に」「どれだけ従事したか」把握する必要があるため、情報量がどうしても多くなることから、ITツールの活用が事実上必須でした。そのため、IT利活用に長けたプロ人材を模索していましたが、プロフェッショナル人材戦略拠点のセミナーをきっかけに副業・兼業人材の活用方法を知り、人材あっせん事業者への取りつなぎによって、希望する人材に出会うことができました。
採用したプロ人材の柾木氏には、工数管理の総論作成から、ITツールの選定導入、社員への利用推進、レポートの作成に至るまで、工数管理に関わる一連の業務を依頼しました。
プロ人材の柾木氏は東京在住であるため、基本的にはリモートワーク中心で業務を進めることになりました。チャットツールを使用しながら緊密に連絡を取りつつ、2週間に1,2度のオンライン会議で進捗の共有を行いました。
柾木氏はまず、面談の中から当社に本当に必要な要件を明確化し、5つほどのITツールのリストアップを行いました。ツールの決定に必要な情報は、柾木氏が自らベンダーへ連絡を取り、情報収集を進めてもらいました。2ヵ月後には利用するITツールが決定し、その後も各社員のアカウント発行も柾木氏が担ってくれたことで、想定よりも早く事が進み、3ヵ月後には新規受注プロジェクトの工数管理を行えるようになりました。
導入したITツール:CroudLog
導入したITツール「クラウドログ」を活用する体制が整い、新規受注プロジェクトから順に、「いつ」「誰が」「どの業務に」「どれだけ従事したか」が一目瞭然になりました。また、プロジェクトの進捗をチャート形式に表示することや、多様な集計を行ったレポートの出力もできるようになりました。工数把握によって労務費計算ができるようになったことで、今後の予算づくりのための下地ができてきました。
個人事業主として自身の業務を広げて行こうと考えていたところ、知人からの紹介を受けて副業・兼業人材あっせん事業者への登録をすることになり、これをきっかけに当社に出会いました。当社の募集要項を見て、自身の経験を活かして成果を出せるイメージが湧いたことで応募をしました。また求人ページにアップされていた佐藤社長のメッセージ動画を見て、人柄に惹かれ、お力になれるのではと考えたのも応募に至った理由です。
実際の業務については、毎月約40時間の稼働で当社に参画しています。リモート中心の業務となるため、不安を与えないように、業務の進め方には工夫を凝らしてします。まずは、当社にある情報の吸い上げと進捗を共有する機会を兼ねて、定例ミーティングを設定しました。各情報を持つ担当者に定例ミーティングへ参加してもらうことで、コミュニケーションをとる機会を設けました。導入するシステムの選定にあたっては、私が直接ITベンダー各社と折衝を行いましたが、話した内容がブラックボックスにならないよう、打ち合わせを録画し、その様子を社内限定公開のYouTubeへアップロードして共有する取り組みを行っています。また、自身も一人の経営者であることから、想像力を働かせて先回りした仕事ができるように心がけています。
今回の支援にあたっては、経営企画部門でパフォーマンスの可視化をしていた時期の経験を活かすことができ、工数管理の土台をつくることはできました。ですがこれに基づいた施策が打てるまでは、まだ時間がかかります。今後も管理部門の立場で中長期的に関わっていけたらと考えています。
プロフェッショナル人材:柾木 氏
当社にとって初めての副業・兼業プロ人材の活用でしたが、今回のミッションは自分たちだけで導入まで進めることは絶対にできず、任せてよかったと実感しています。必要な仕事を託せるプロ人材に、適切な予算をかけることはやはり必要で、一連の業務遂行から成果までとても納得感があります。
柾木氏は、複数名の応募があった中で、我々の募集要項に合致したのはもちろんのこと、情報を適切に読み取って、当社の状況を良く理解してもらっていたことから、依頼をするに至りました。今後は、より工数管理を精緻にし、原価管理、予算実績管理を充実させ、当社の成長戦略を描いていきたいと考えています。
中部ウエルボーリング社 佐藤社長
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